管理栄養士の給料が低い4つの理由|業界の構造と収入アップの方法を解説!

管理栄養士の給料が低い4つの理由|業界の構造と収入アップの方法を解説!

管理栄養士として働いているものの、給料面に不満を感じている方は多くいます。転職を考えている場合は、管理栄養士の給料水準を把握したほうが有利です。この記事では、管理栄養士の給料が低い理由や状況別の年収、給料アップの方法を解説します。

記事を読めば、自分の給料が平均に対して少ないのか、どのように給料を上げるのかがわかります。管理栄養士の給料が低い理由は、業務独占資格ではない点や利益を生み出しにくい職種である点などです。給料を上げるためには、専門資格の取得や高待遇の職場への転職を検討しましょう。
» 管理栄養士の仕事内容と向いている人の特徴

管理栄養士の給料が低い理由

管理栄養士の給料が低い理由

管理栄養士の給料が低い理由は、以下のとおりです。

  • 業務独占資格ではないから
  • 利益を生み出しにくいから
  • 管理栄養士の人数が多いから
  • 女性が多くキャリアの継続が難しいから

業務独占資格ではないから

管理栄養士の給料が低い理由の一つに、資格の種類が挙げられます。管理栄養士は「名称独占資格」であり、「業務独占資格」ではないため、管理栄養士以外でも担当できる業務が存在するからです。管理栄養士だけが独占できる業務が少ないため、人件費削減の対象となり給料が抑えられがちになります。

業務独占資格は、資格保有者のみが特定の業務を行える資格です。医師や看護師、薬剤師などが該当します。一方、名称独占資格は、資格保有者がその名称を名乗ることを認めるものですが、業務の独占はできません。管理栄養士や栄養士、調理師があたります。例えば、給食管理や献立作成は、栄養士や調理師でも代行が可能です。

業務独占資格と名称独占資格の平均年収の比較は、以下のとおりです。

職種平均年収資格の種類
薬剤師約550万円業務独占資格
看護師約500万円業務独占資格
管理栄養士約400万円名称独占資格
栄養士約390万円名称独占資格
調理師約359万円名称独占資格

» 厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査(外部サイト)

管理栄養士の給料が低い背景には、資格の性質上、専門性が評価されにくいという現状もあります。しかし、管理栄養士は栄養士にはない専門的な役割も担っています。具体的には、スポーツ選手や病気療養中の人への高度な栄養指導、大規模給食施設への配置義務などです。

管理栄養士の専門性を給料に反映するには、雇用側の理解と評価制度の整備が求められます
» 管理栄養士と栄養士の仕事内容や給与面の違いを解説

利益を生み出しにくいから

管理栄養士の給料が低い理由は、業務が直接的な利益を生み出しにくい点にあります。人々の健康を支える食事管理や栄養指導は、組織の売上や利益に直結しにくい性質を持っているためです。例えば、病院の場合、収益に直接つながる資格や業務は以下のとおりです。

  • 医師:診療行為や手術による診療報酬
  • 看護師:患者の療養管理やケアによる入院基本料・看護加算
  • 薬剤師:調剤や薬剤管理指導による調剤報酬・薬剤管理指導料

管理栄養士は栄養管理で患者の回復を早めたり、病気を予防したりする仕事を通して、長期的な医療費削減に貢献します。しかし、栄養改善の効果はすぐに見えにくいです。

企業や医療機関は、短期間で数字として成果が表れる業務を評価する傾向があります。健康維持や予防医療のように長期的な効果が期待される管理栄養士の仕事は、給料に反映されにくい傾向があります

管理栄養士の給料を改善するには、業務の成果を数値化する仕組みが必要です。栄養指導や健康管理がもたらす経済的なメリットへの理解が深まれば、給料も適正に評価されるようになるでしょう。
» 専門性を生かす!管理栄養士にしかできないことと分野別の業務内容

管理栄養士の人数が多いから

管理栄養士の給料が低い理由,管理栄養士の人数が多いから

資格保有者の多さは、管理栄養士の給料が低い要因の一つです。資格保有者が増えると求人倍率が下がるため、企業は高い給料を提示せずとも応募者を集めやすくなっているのが現状。特に人気のある病院や福祉施設では応募者が多く集まり、給料水準が上がりにくい傾向が見られます。

管理栄養士の資格は、薬剤師などの医療系資格と比較して、取得難易度は高くありません。厚生労働省の発表では、令和5年時点で管理栄養士名簿登録者数は約28万人です。加えて、毎年8,000~10,000人の新たな管理栄養士が誕生しています。資格者の継続的な増加が、労働市場における供給過多の一因となっています

管理栄養士は資格取得後に専門性を深め、キャリアアップを図るための明確な道筋(キャリアパス)が確立されていません。キャリアパスが不明確である点も、管理栄養士の市場価値を高めにくい要因です。

女性が多くキャリアの継続が難しいから

管理栄養士の給料が低い理由の一つに、女性が多くキャリア継続が難しい点が挙げられます。管理栄養士は女性が大半を占める職種です。結婚や出産を機に退職する人も少なくないため、長期的なキャリア形成が難しく、給料が上がりにくい傾向にあります。

多くの女性管理栄養士が、ライフステージの変化によって一時的に職場を離れたり、働き方を変えたりします。子育てが落ち着いた後にフルタイムでの復帰は容易ではありません。時短勤務や非正規雇用を選ぶ人も増え、平均給料が押し下げられる一因ともなっています。

ライフステージの変化で長期的なキャリア形成が中断されると、昇進や昇給の機会を逃しやすくなります。管理職や指導的立場に就く女性が少ない現状も、全体として給料が上がりにくい要因です。キャリア継続の難しさが、給料水準の低迷につながっていると考えられます

【年齢別】管理栄養士の平均給料

【年齢別】管理栄養士の平均給料

以下の年代別に、管理栄養士の平均給料を紹介します。

  • 20代
  • 30代
  • 40代
  • 50代
  • 60代以上

20代

職場や勤務地によって差はありますが、20代の管理栄養士の平均年収は約300万円です(※1)。経験が浅く、基本的なスキルを習得する時期であるため、他の年代と比べて低めになっています。
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20代はキャリアアップを図る重要な時期です。資格取得や専門性の向上に力を入れると、将来的な給料アップにつながる可能性があります。後のキャリアプランのために、計画を立てましょう。

※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では管理栄養士・栄養士の区別がされていません。本記事では同調査の栄養士区分の平均年収(給料)を参考にしています。

30代

【年齢別】管理栄養士の平均給料,30代

30代の管理栄養士の平均年収は約400万円です(※1)。20代と比べると経験とスキルが身についているため、給料が高くなります。能力や勤務先の規模によって、約300万〜500万円の幅があります。30代はキャリアアップや転職のタイミングとしても最適です。管理職になると平均年収が500万円を超える場合もあります
» Indeed(外部サイト)

同時に、結婚や出産などで退職する割合が多いのも30代です。転職や退職を検討している際は、現状のキャリアを考慮して決めましょう。

※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では管理栄養士・栄養士の区別がされていません。本記事では同調査の栄養士区分の平均年収(給料)を参考にしています。

40代

40代の管理栄養士はキャリアのピークを迎える時期です。平均年収は約430万円となっています(※1)。40代の場合は経験と専門知識を活かし、高度な業務や責任ある立場に就くことが可能です。管理職や指導職、後進の育成など、担う業務が多くなります。
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培ってきた経験は、健康管理や生活習慣病の予防など、専門的な分野でも活用可能です。給料面では、30代と比べて大きな上昇は見られない傾向にあります。転職市場での需要が高いため、キャリアアップや転職のタイミングにはおすすめです。

専門性を活かした副業や独立開業を考える人もいる一方で、キャリアチェンジや異業種への転職を考える人もいます。転職を考えている場合は、現状や持っているスキルを考慮し、自身のキャリアの方向性を見直す必要があります。

※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では管理栄養士・栄養士の区別がされていません。本記事では同調査の栄養士区分の平均年収(給料)を参考にしています。

50代

【年齢別】管理栄養士の平均給料,50代

50代の管理栄養士の平均給料は、約450万円です(※1)。経験と実績により、給料が上昇する傾向にあり、管理職や専門性の高いポジションに就ける可能性が高くなります。転職によるキャリアアップの機会は減少傾向であり、注意が必要です。50代になると、仕事と私生活のバランスを考える人もいます。
» Indeed(外部サイト)

若手の指導や後進の育成、コンサルティング業務への転向など、長年の経験を活かして独立開業する人も多い傾向です。自分の経験とスキルを活用できるキャリアを歩むか、ワークライフバランスを重要視するかで、今後の年収が変わってきます。

※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では管理栄養士・栄養士の区別がされていません。本記事では同調査の栄養士区分の平均年収(給料)を参考にしています。

60代以上

60代以上の管理栄養士の平均年収は、約400万円前後です(※1)。管理職の場合は500万円以上になる可能性があります。以下の働き方が多くなるため、40代や50代と比べると給料が低くなる傾向です。

  • 定年後の再雇用
  • 非常勤
  • 短時間勤務
  • パートタイム

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コンサルティング業務などで高収入を得られる場合もあります。高収入を得たい場合は、経験やスキルを活かしましょう。健康管理や食育指導など、長年の経験を活かした分野での活躍ができます。給料は勤務形態や役職、勤務先によって大きく異なるため、個々の状況に応じた働き方を見つけるのが大切です。

※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では管理栄養士・栄養士の区別がされていません。本記事では同調査の栄養士区分の平均年収(給料)を参考にしています。

【職場別】管理栄養士の平均給料

【職場別】管理栄養士の平均給料

管理栄養士の給料は勤務先によって大きく異なります。以下の職業別の平均給料を紹介します。

  • 病院・福祉施設
  • 学校・保育園
  • 企業
  • 行政機関

病院・福祉施設

病院や福祉施設で働く管理栄養士の平均給料は、約300万〜400万円です(※2)。病院の場合は、約400万円を超える高水準になる可能性もあります(※2)。給料に影響を与える要因は、以下のとおりです。

  • 夜勤の有無
  • 休日出勤の有無
  • 経験年数
  • 役職
  • 勤務先の規模や地域

大規模病院や大手福祉法人、都市部の施設では給料水準が比較的高くなる傾向があります。正社員よりも非常勤やパートの求人が多い傾向です。業務内容は、栄養管理だけでなく事務作業も多くあります。チームの一員として、他職種との連携や患者・利用者とのコミュニケーションも求められます。

※2 平均給料は 「マイナビコメディカル」を参考にしています。

学校・保育園

学校や保育園での管理栄養士の平均給料は、約250万〜350万円です(※2)。勤務時間が規則的で残業が少なく、夏休みや冬休みなどの時期には長期休暇を得られるなど、安定性と働きやすさが特徴です。公立学校の栄養教諭は、公務員待遇で収入も安定していますが、私立学校や保育園の給料水準は比較的低くなります。

業務に関しては、栄養指導や食育活動、献立作成が中心で調理業務は少ないため、時間に追われる子育て世代の女性に人気です。経験年数に応じて給料が上昇する傾向があるため、長く勤めると収入アップが期待できます。学校給食センターも安定した収入が見込める職場の一つです。

※2 平均給料は 「マイナビコメディカル」を参考にしています。

企業

【職場別】管理栄養士の平均給料,企業

企業の管理栄養士の平均年収は、約250万〜330万円ですが、企業によって異なります(※2)。給料面では、平均よりも高い場合もあり、転職を考えている人には魅力的な選択肢です。以下の職場では、管理栄養士の専門知識や技能が高く評価されています。

  • 食品メーカー
  • 健康食品会社
  • スポーツクラブ
  • 製薬会社
  • 給食会社

企業が提供する商品やサービスの付加価値向上に直接貢献可能です。活躍次第では、給料も上がる可能性があります。企業での仕事は競争が激しいので、常に自己研鑽が求められます。企業の管理栄養士を目指す場合は、新しい知識や技術の習得、マーケティングスキルの向上など、幅広い能力を磨きましょう。

※2 平均給料は 「マイナビコメディカル」を参考にしています。

行政機関

行政機関で働く管理栄養士の平均給料は、約450万〜600万で、民間企業と比べて高い傾向です(※2)。公務員なので、安定した収入が見込めます。初任給は約20万円から始まり、経験を積むにつれて上がります。地域や経験年数によって給料の幅があるため注意が必要です。行政機関で働くメリットは以下のとおり。

  • 福利厚生が充実している
  • 定期的に昇給や賞与を受けられる
  • 長期的な収入の安定性が見込める
  • 管理職への昇進機会が多い
  • 社会貢献度の高い仕事をこなせる

退職金制度も整っているので、将来の経済的安定も期待できます。残業が少なく、ワークライフバランスを保ちやすい環境も魅力です。栄養調査や健康危機管理、飲食店からの営業許可検査などの業務にたずさわるため、常にスキルアップを目指す必要があります。

※2 平均給料は 「マイナビコメディカル」を参考にしています。

管理栄養士と他の医療系職種の給料比較

管理栄養士と他の医療系職種の給料比較

管理栄養士と他の医療系職種の給料を比較した結果を、以下に紹介します。

職種平均年収
看護師約500万円
薬剤師約550万円
臨床検査技師約508万円
理学療法士・作業療法士約433万円
管理栄養士約400万円

» 管理栄養士の平均年収を雇用形態・都道府県別に紹介!

看護師との比較

看護師の平均給料は約500万と高い傾向です(※1)。管理栄養士とは約100万円の差があります。業務内容や資格の性質の違いが理由です。看護師は医療現場での需要の高さに加え、人手不足が深刻であるため、給料が高くなります。夜勤や残業が多く、給料に反映されやすい傾向です。

管理栄養士の場合は夜勤がほとんどなく、残業も少ないのが一般的です。病院での配置人数も看護師に比べて少ないため、給料に大きな差が出やすくなっています。

※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では管理栄養士・栄養士の区別がされていません。本記事では同調査の栄養士区分の平均年収(給料)を参考にしています。

薬剤師との比較

管理栄養士と他の医療系職種の給料比較,薬剤師との比較

薬剤師の平均給料は550万円以上となっており、管理栄養士と比べると、約1.5〜2倍程度の給料です(※1)。薬剤師は業務独占資格であり、需要の高さや責任の重さが高水準の報酬につながっています。職場によっては夜間や休日勤務があり、手当が加算される点も要因の一つです。

薬剤師には調剤薬局での開業の選択肢もあり、高収入を得られる可能性が広がります

※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では管理栄養士・栄養士の区別がされていません。本記事では同調査の栄養士区分の平均年収(給料)を参考にしています。

臨床検査技師との比較

臨床検査技師の平均年収は約508万円であり、管理栄養士より100万円ほど高い傾向です。臨床検査技師が担当する検査結果は医師の診断に直結します。医療現場での重要性が高い業務特性が、給料水準の高さにつながっていると考えられます。

臨床検査技師は、医師の診断に不可欠な血液検査や心電図検査などを担当する専門職です。職場によっては夜勤や緊急時の呼び出しに対応する場合もあり、各種手当が給料に加算されるケースも見られます。管理栄養士の主な業務は栄養指導や献立作成、給食管理です。臨床検査技師と比べると、夜勤は少ない傾向にあります

職種ごとの業務特性や専門性、勤務形態の違いなどが、給料水準に影響を与えていると考えられます

理学療法士・作業療法士との比較

理学療法士・作業療法士の平均給料は、約433万円。管理栄養士の給料と同水準か、やや高い傾向が見られます。理学療法士・作業療法士が行う身体機能の回復は、目に見える変化として現れやすいです。成果が評価に直結しやすい業務特性のため、給料にも反映されていると考えられます。

理学療法士や作業療法士は、リハビリテーションを通じて患者さんの機能回復を直接サポートする専門職です。理学療法士は「立つ」「歩く」といった基本的な動作能力の回復を支援し、作業療法士は食事や入浴、仕事など日常生活や社会活動に必要な応用的な動作の練習を支えます。

一方、管理栄養士は食事管理や栄養指導を通し、病気の治療や予防、健康維持に貢献します。しかし、栄養改善の効果はすぐに数値化しにくい側面があります。管理栄養士も経験を重ねて専門性を深めたり、関連資格を取得したりすれば収入アップを目指せるでしょう。管理職へ昇進の可能性もあります。

給料だけでなく、仕事のやりがいやライフスタイルに合うかも含めて、キャリアを考えるのが大切です。

管理栄養士が給料を上げる方法

管理栄養士が給料を上げる方法

管理栄養士の給料を上げる方法を、以下に紹介します。

  • 専門資格を取得する
  • 高待遇の職場に転職する
  • 副業で収入を増やす
  • 1つの職場で長く勤める

専門資格を取得する

専門性を高めると、より高度な業務を担当可能です。以下の日本栄養士会や関連学会の認定資格や民間資格などを取得すると、活躍できる分野がさらに広がります。

  • 日本栄養士会や関連学会の認定資格
  • 公的資格や民間資格など

日本栄養士会や関連学会の認定資格

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日本栄養士会が運営している認定資格は以下の3分野です。関連学会と共同認定している資格も含みます。

  • 認定管理栄養士・認定栄養士の認定制度
  • 特定分野別の認定制度
  • 専門分野別の認定制度
認定管理栄養士・認定栄養士の認定制度

認定管理栄養士・認定栄養士の認定制度は、各分野で責任をもって栄養指導できる熟練スキルが認められた資格。日本栄養士会が認定します。認定資格は以下の8分野です。

  • 臨床栄養
  • 学校栄養
  • 健康・スポーツ栄養
  • 給食管理
  • 公衆栄養
  • 地域栄養
  • 福祉栄養(高齢・障がい)
  • 福祉栄養(児童)

» 日本栄養士会(外部サイト)

特定分野別の認定制度

特定分野別の認定制度は、特定分野の実践において優れた成果が認められた資格です。以下の5つの特定分野があります。

認定資格認定資格の内容認定団体
静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士口から食事が摂れない方へ、専門知識と技術で支援する専門家。チューブや点滴による栄養補給(静脈・経腸栄養)を適切に管理します。日本栄養士会の認定
在宅訪問管理栄養士自宅で療養する方の食生活をサポートする専門家。家での生活を安全・快適に続け、生活の質(QOL)を高めるための栄養指導や支援を行います。日本栄養士会と日本在宅栄養管理学会(旧 全国在宅訪問栄養食事研究会)の認定
公認スポーツ栄養士スポーツ選手のパフォーマンス向上を「食」で支える専門家。競技力向上や健康維持のために、現場のニーズに合った栄養サポートを行います。日本栄養士会と日本スポーツ協会の共同認定
食物アレルギー分野管理栄養士・栄養士食物アレルギーを持つ人へ安全な「食」を提供する専門家。アレルギーに関する正しい知識に基づき、リスク管理をしながら安全な食事の提供や栄養教育を行います。日本栄養士会の認定
小児栄養分野管理栄養士・栄養士子どもの成長と健康を「食」で支える専門家。子どもの成長段階や病気、健康状態に合わせた専門的な栄養指導や支援を行います。日本栄養士会の認定

» 日本栄養士会(外部サイト)

専門分野別の認定制度

専門分野別の認定制度は、さらに専門性を身に付けた専門分野のスペシャリストの資格。専門分野は、以下の5つです。

認定資格認定資格の内容認定団体
がん病態栄養専門管理栄養士がん患者さんの栄養管理・栄養療法に関する高度な知識と技術を持ち、チーム医療の中で専門性を発揮する管理栄養士。日本病態栄養学会と日本栄養士会の共同認定
腎臓病病態栄養専門管理栄養士腎臓病患者さんの病態と栄養に関する専門知識・技術と臨床経験を持つ管理栄養士。日本病態栄養学会と日本栄養士会の共同認定、日本腎臓学会とも連携。
糖尿病病態栄養専門管理栄養士糖尿病患者さんの病態と栄養に関する専門知識・技術と臨床経験を持つ管理栄養士。日本病態栄養学会と日本栄養士会の共同認定、日本腎臓学会とも連携。
摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士摂食嚥下が難しい方に対し、リハビリと栄養の専門知識で食を支え、QOL向上に貢献する管理栄養士。日本栄養士会と日本摂食嚥下リハビリテーション学会との共同認定
在宅栄養専門管理栄養士複雑な栄養問題を持つ在宅療養者を専門知識で支え、生活に配慮した栄養管理でQOL向上を支援します。地域の多職種と連携し在宅栄養管理を進める管理栄養士。日本栄養士会と日本在宅栄養管理学会との共同認定

» 日本栄養士会(外部サイト)

公的資格や民間資格など

管理栄養士が給料を上げる方法,専門資格を取得する,公的資格や民間資格など

公的資格や民間資格なども、専門的なスキルや知識が身に付くためおすすめです。需要が高い資格としては、食品衛生管理者や介護支援専門員などが挙げられます。主な公的資格や民間資格は以下のとおりです。

認定資格(資格区分)資格の内容認定/管轄団体
食品衛生管理者(公的資格)食品衛生法に基づき、特定の食品製造・加工施設で衛生管理を行う責任者。厚生労働省
介護支援専門員(公的資格)介護保険法に基づき、要介護者等のケアプラン作成やサービス調整を行う専門職。都道府県(試験・登録)、 厚生労働省(制度管轄)
健康運動指導士(民間資格)個々人の心身の状態に応じた安全で効果的な運動プログラムの作成・指導を行う専門家。健康・体力づくり事業財団
サプリメントアドバイザー(民間資格)健康食品やサプリメントに関する正しい知識に基づき、消費者に適切な情報提供やアドバイスを行う専門家。(例: NR・サプリメントアドバイザー)日本臨床栄養協会(NR・サプリメントアドバイザー)、日本ニュートリション協会 など
食品保健指導士(民間資格)食品と健康に関する専門知識に基づき、生活習慣病予防等のための食生活指導を行う専門家。日本健康・栄養食品協会
フードコーディネーター(民間資格)食に関する幅広い知識・技術で、メニュー開発、商品開発、スタイリング、イベント企画などを行う専門家。日本フードコーディネーター協会など

資格を取得すれば、高度な栄養指導や栄養管理が可能になりますが、取得までに時間とコストがかかる点に注意が必要です。自分のキャリアプランに合わせ、計画的に取り組みましょう。資格取得後は、専門性を活かせる職場への転職も視野に入れるのもおすすめです。

高待遇の職場に転職する

求人で高待遇の職場を探して転職する方法が、比較的容易かつ効果的です。転職を考える際は給料水準が高く、福利厚生も充実している大手企業や有名企業の求人の確認から始めましょう。給料や待遇が、自分の希望する条件にマッチしているかを確認してください。求人を見る際は、キャリアアップの可能性も考慮しましょう

将来的な昇給や昇進のチャンスがある環境を選ぶと、長期的な収入増加が期待できます。専門的なスキルや経験、資格を活かせる職場を選ぶと、見合った報酬が得られる可能性が高くなります。転職エージェントの利用も効果的です。

エージェントは、高待遇の求人情報を多く持っているので、自分で探すよりも良い条件の職場を見つけやすくなります。状況に応じた給料交渉のスキルも重要です。企業によっては条件を応募者に聞く場合があります。希望の待遇を引き出すために、自分の価値を適切にアピールする能力が必要です。

副業で収入を増やす

管理栄養士が給料を上げる方法,副業で収入を増やす

副業は、管理栄養士の収入を増やす有効な方法です。資格や専門知識を活かして、さまざまな副業に取り組めます。副業におすすめの仕事は、以下のとおりです。

  • フリーランスの栄養コンサルタント
  • 個人向け栄養指導・食事プラン作成
  • 健康食品のアフィリエイト
  • 栄養・健康関連の記事執筆
  • オンライン栄養セミナー開催

本業の経験を活かしつつ、新たなスキルも身に付けられる魅力があります。収入を増やすだけでなく、キャリアの拡大も可能です。副業を始める前に、現在の職場の規定に注意が必要です。職場によっては副業が禁止されている場合もあるため、事前に確認するのをおすすめします。

1つの職場で長く勤める

管理栄養士の給料を上げるには、同じ職場で働き続けるのも効果的です。多くの職場では、勤務年数が増えるにつれて給料が上がる仕組みがあります。重要な役割を任される可能性も高くなるため、昇給のチャンスにつながります。職場特有のスキルや知識を深められる点もメリットです。

後輩の指導や管理職への道が開かれるだけでなく、将来的な独立やキャリアチェンジにも活かせます。長期勤続が必ずしも最適な選択とは限らないため、キャリアのゴールや職場環境を考慮し、最適な選択をしましょう

まとめ

まとめ

管理栄養士の給料が低い理由には業務独占資格ではなく、利益に直結する業務が少ない点などが挙げられます。管理栄養士は、健康を支える重要な仕事です。給料面に不安を感じ、転職を検討している場合は、条件の良い求人を探しましょう

平均給料よりも高い給料が設定されている職場もあります。ただし、給料が高い職場では、高度なスキルや専門性が求められる可能性が高いです。現在の自分の能力や経験年数を考慮し、よく検討してから転職活動を進めましょう。