
- 管理栄養士の資格を生かした職務経歴書の書き方がわからない
- 職務経歴書で自分のスキルをうまくアピールできない
- 未経験やブランクがある場合でも転職できるか知りたい
転職活動において職務経歴書で専門知識や経験を効果的に伝えるのは、内定獲得の可能性を高める重要なポイントです。本記事では、管理栄養士としての職務経歴書の書き方と具体例を解説します。記事を読めば自分の強みを最大限にアピールできる職務経歴書の書き方がわかり、転職活動を有利に進められます。
管理栄養士の職務経歴書を書くうえで重要な点は、専門知識や技術を具体的な実績とともに示す点です。栄養指導や献立作成だけでなく、チームでの連携能力やコミュニケーション力も評価対象のためアピールしましょう。
管理栄養士の職務経歴書の書き方

職務経歴書はA4サイズの用紙を使用します。内容が1ページに収まらない場合でも、2ページ以内にまとめるのが一般的です。管理栄養士の職務経歴書の書き方を以下の項目に分けて解説します。
- タイトル・日付・氏名の書き方
- 経歴要約の書き方
- 職務経歴詳細の書き方
- 保有資格・免許の書き方
- 自己PRの書き方
タイトル・日付・氏名の書き方
職務経歴書を書く際はタイトルや日付、氏名を正確に記載します。タイトルは「職務経歴書」とし、用紙の中央上部に大きめのフォントで記載。職務経歴書の日付は、提出日か作成日を「20XX年〇月〇日現在」のように明記しましょう。
職務経歴書に記載する氏名は、日付の下に「氏名:山田花子(ヤマダ ハナコ)」とフリガナ付きで書くと丁寧な印象になります。氏名のフォントは10〜12ポイントが見やすく、14ポイント以上は読みにくくなるため避けるのが無難です。氏名の下に住所・電話番号・メールアドレスを記載します。
» マイナビ転職(外部サイト)
職務経歴書に書くメールアドレスは、ニックネームや絵文字を含んだものは避けましょう。応募者の氏名がわかる正式なものを使用してください。年齢の記載は必須ではありません。職務経歴書の本文のフォントサイズは、11〜12ポイント程度にすると読みやすくなります。写真は履歴書に貼るため、職務経歴書への添付は基本的に不要です。
経歴要約の書き方

職務経歴書の経歴要約は、一般的に100〜200字程度でまとめます。応募先の指示や内容に応じて文字数を調整しましょう。理想は150〜200字程度です。管理栄養士の専門知識や技術に加え、実績を数値やデータで示すと説得力が増します。事務職や異業種へ転職する場合は、管理栄養士の経験から活かせるスキルを強調しましょう。
患者や利用者への対応経験は「コミュニケーション能力」、チーム医療への貢献は「協調性」としてアピールできます。短文の箇条書きで要点を並べる手法も、多くの転職サイトで推奨されています。読みやすさを重視するなら、箇条書きを活用するのも有効です。
専門職の場合、適度な専門用語の使用が評価につながるケースもあります。応募先の理解度に合わせて言葉を使い分け、相手に伝わる表現を心がけましょう。志望先の企業や職種に関連する経験・知識を優先して記載すると、採用担当者の目に留まりやすくなります。
» タウンワーク(外部サイト)
職務経歴詳細の書き方
職務経歴書の経歴詳細を書く際は時系列に沿って新しい職歴から順に書くのが基本です。各職場での経歴は以下の要素を職務経歴書に盛り込みましょう。
- 企業名・施設名
- 雇用形態
- 在籍期間
- 担当業務
管理栄養士としての経験をアピールするなら、実績の数値化やマネジメント経験を記載すると効果的です。職場ごとに箇条書きで簡潔にまとめると、採用担当者が読みやすい職務経歴書に仕上がります。職務経歴詳細の書き方の具体例は以下のとおりです。
〇〇病院(正社員)2018年4月~2023年3月
担当業務:入院患者の栄養管理、栄養指導(月30件)、献立作成
特記事項:糖尿病患者向け栄養指導プログラムの改善(満足度15%向上)
異業種へ転職する際は、管理栄養士として培ったスキルのなかでも、転用できるものを強調するのがポイントです。コミュニケーション能力やマネジメント能力、計画立案能力などは多くの職種で役立ちます。志望職種に関連する経験を優先して職務経歴書に記載しましょう。
» CRCばんく(外部サイト)
保有資格・免許の書き方

職務経歴書で保有資格や免許を書く際は資格名を正式名称で記載し、取得年月も書き添えるのが基本です。職務経歴書には新しい資格から順に記載し、現在勉強中の資格は「取得見込み」と明記します。事務職や一般職への転職を検討している場合は、以下の資格があると有利です。
- 簿記検定
- MOS
- TOEIC
- 日商PC検定
期限付きの資格については、更新状況も職務経歴書に明記してください。パソコンスキルは職種を問わず必要なので、WordやExcelの操作スキルがあると評価されやすくなります。研修の受講歴も職務経歴書に記載しておくと、学習意欲や向上心をアピールできます。
自己PRの書き方
職務経歴書に自己PRを書く際は採用担当者に好印象を与えるために、内容と構成の両面で工夫が必要です。以下のポイントを意識すると、説得力のある自己PRを作成できます。
- 専門知識と技術
- 数値で示せる成功事例
- 転用可能なスキル
- 具体的なエピソード
- 最新知識の習得への努力
職務経歴書に記載する自己PRは長すぎると読みにくくなるため、300〜400字程度でまとめましょう。伝えたい強みと具体的なエピソードに絞って職務経歴書に書けば、採用担当者の記憶に残りやすくなります。
» 管理栄養士の自己PRの書き方を徹底解説!
管理栄養士の職務経歴書作成のコツ

職務経歴書を作成する際のコツは、以下のとおりです。
- 日付や年号は統一する
- 読みやすいレイアウトを心がける
- 数字で実績を示す
- 具体的なエピソードを盛り込む
日付や年号は統一する
職務経歴書に記載する日付や年号は、一貫性を持たせましょう。現在の転職市場では西暦・和暦のどちらも使用されますが、応募先の企業文化や慣習に合わせるのが基本です。西暦と和暦の表記が混在しないよう注意してください。在職中の場合は「現在に至る」と明記すると、採用担当者に状況が伝わりやすくなります。
前職の退職月と次の職場の入職月が空かないよう、職務経歴書に連続する形で記載しましょう。学歴と職歴の欄でも、日付の表記方法をそろえるのが大切です。履歴書と職務経歴書で、日付の表記を統一する点も忘れてはいけません。職務経歴書に書く日付は左ぞろえにするなど、レイアウトにも配慮するとより丁寧な印象を与えられます。
読みやすいレイアウトを心がける

職務経歴書では採用担当者が短時間で内容を把握できるよう、読みやすく整理された文書を作成しましょう。見出しや中見出し、小見出しの構造を明確にすると、情報の区切りがはっきりして内容が伝わりやすくなります。職務経歴書内の文章は1段落に1つの内容を心がけ、3~5行でまとめると効果的です。
文章構成に加えて、視覚的に整理されたレイアウトも職務経歴書の重要な要素です。職務経歴書の情報量が多くなる場合は、以下のような項目を箇条書きで整理すると、読みやすさが向上します。
- 担当業務
- スキル
- 成果
- 使用システム・機器
職務経歴書に記載する情報は詰め込みすぎず、適度な余白を確保すると視認性が高まります。職務経歴書全体のバランスを考慮して1〜2ページに収めるのが理想です。書式やインデントも統一し、見た目にも整った書類を作成しましょう。
» 女の転職type(外部サイト)
数字で実績を示す
管理栄養士の職務経歴書において実績を数字で表現する際は、以下の項目を数値化してアピールすると効果的です。
- 血糖値管理
- 体重管理
- 給食管理
- 栄養指導
- コスト面
- メニュー開発
- チーム管理
- 教育活動
血糖値管理の実績は「糖尿病患者30名の食事指導を担当し、HbA1cを平均8.2%から7.1%に改善した」と数字も記載。職務経歴書へ具体的な数字を盛り込むと、管理栄養士としての能力や経験を効果的にアピールできます。
» ミライトーチ(外部サイト)
具体的なエピソードを盛り込む
職務経歴書に具体的なエピソードを盛り込むと、数字だけでは伝わりにくい専門性や問題解決能力をアピールできます。患者への対応策や業務の工夫を盛り込めば、仕事の質や実践力が伝わりやすくなるでしょう。人材育成の経験も職務経歴書に記載すると効果的です。
職務経歴書に「3名の新人を6か月以内に独り立ちさせた」などと記述すれば、リーダーシップや指導力の高さをアピールできます。異業種への転職を考えている場合は、組織改善や業務効率化のエピソードも有効です。業界を問わず活かせる汎用的なスキルを伝えられるためです。
» 管理栄養士の転職活動の始め方やおすすめの転職先を紹介!
管理栄養士の職務経歴書の例

管理栄養士の職務経歴書の例を以下に分けて解説します。
- 病院から転職する場合
- 介護施設から転職する場合
病院から転職する場合
病院勤務からの転職を検討する際は、管理栄養士の経験を職務経歴書にまとめましょう。病院における栄養管理業務については、以下の実績を職務経歴書に含めると効果的です。
- 入院患者の栄養状態評価
- 個別栄養指導
- NST活動
- 集団栄養指導
- 嚥下障害患者への対応
- 経腸栄養・静脈栄養管理の実施経験
- 病院給食の献立作成と調理指導
- HACCP対応の衛生管理業務
職務経歴書には、専門的なスキルや経験も具体的に記載すると印象に残りやすくなります。医師や看護師と連携して栄養ケアを行った経験があれば、チーム医療に貢献できる人材であると示せます。退院後の栄養フォロー体制の構築など、継続的に行った患者へのケアも職務経歴書に記載しましょう。
管理業務の経験があれば、事務職や異業種へ転職する際に生かせます。スタッフのシフト管理や業務フローの見直し、衛生マニュアルの作成などの実績は、組織運営に貢献できる証として評価されます。
介護施設から転職する場合
介護施設から転職する場合は、栄養管理や多職種連携の経験を職務経歴書に明記すると効果的です。高齢者の健康維持に関与した実績やコスト管理能力も、具体的な数値で示すと説得力が増します。自宅での生活に戻る利用者と家族に対する栄養指導をした経験も、幅広い業務への対応力をアピールできるポイントです。
応募する職種に合わせて職務経歴書を作成すれば、効果的に自分の実績をアピールできます。
管理栄養士の職務経歴書の提出方法

管理栄養士の職務経歴書の提出方法を以下の3つに分けて解説します。
- 郵送の場合
- メールの場合
- 手渡しする場合
郵送の場合
職務経歴書を郵送する場合は以下のポイントを押さえると、採用担当者に好印象を与えやすくなります。
- A4サイズの書類を折らずに入れられる「角形2号」の白色封筒を使用する
- 封筒の宛名は黒のボールペンやサインペンで手書きする(※)
- 封筒の表面左下に赤字で「履歴書在中」と記載し、定規で周りを囲む
- 裏面の左下に住所・氏名を記入する
- 送付状も作成する
- 応募書類(職務経歴書や履歴書など)はクリアファイルに挟む
- クリアファイルに入れる順番は上から送付状、履歴書、職務経歴書の順番で重ねる
- ポストに投函する前に、郵便局の窓口で郵便料金を確認する
職務経歴書の郵送方法は、特別な指定がなければ普通郵便が一般的です。 速達は急を要する場合に限り利用し、特定記録郵便や簡易書留は企業側に受領の手間をかけるため避けるのが無難です。締切日間際に慌てて送付しないよう、余裕を持って投函しましょう。
応募書類の到着確認の電話は、採用担当者の負担になるため控えるのがマナーです。どうしても確認が必要な場合は、郵送後1週間ほど期間を空けてから連絡します。
» マイナビコメディカル(外部サイト)
※ 封筒の宛名はパソコンで作成したラベルを貼付しても、マナー違反にはなりません。一般的に手書きは丁寧な印象を与えるため、迷った際は手書きを選ぶと良いでしょう。
メールの場合

職務経歴書をメールで提出する場合は、基本的なビジネスマナーを徹底して守りましょう。件名には「職務経歴書の送付:求人番号○○○○ 氏名○○」と記載します。メールの冒頭で簡単な自己紹介と応募の意思を明確に伝えましょう。メールの本文は長文を避け、要点を簡潔にまとめるのが大切です。
職務経歴書は文字化けやフォーマットの乱れを防ぐために、PDFファイル形式で添付します。ファイル名は「職務経歴書_氏名」としましょう。メールの末尾には、氏名と連絡先(電話番号・メールアドレス)を記載します。最後に返信を期待する旨と感謝の言葉を添えると、印象が良くなります。
手渡しする場合
面接時に職務経歴書を手渡しする場合は、清潔で折り目のないきれいな書類を準備しましょう。 書類はクリアファイルに入れ、複数枚ある場合はクリップで左上をまとめます。ホチキス留めは、採用担当者がコピーする際に手間がかかるため避けるのがマナーです。
応募書類(履歴書、職務経歴書)を渡す際は「よろしくお願いいたします」など一言添え、両手で差し出します。面接の流れを妨げないよう、面接官の指示を待ってから渡しましょう。念のため職務経歴書のコピーも持参しておくと安心です。職務経歴書を封筒に入れて持参した場合は、相手が読める向きで渡します。
管理栄養士の職務経歴書の書き方に関するよくある質問

管理栄養士の職務経歴書の書き方に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 未経験者がアピールすべきポイントは?
- ブランクがある場合の書き方は?
- 別の職種から転職する場合の注意点は?
未経験者がアピールすべきポイントは?
管理栄養士が未経験分野への就職を目指す場合は、専門知識と汎用的なスキルをアピールしましょう。職務経歴書では、資格取得の過程で身につけた栄養学の基礎や食事管理の知識を具体的に記載します。学生時代の実習経験や研究内容も効果的なアピール材料です。
管理栄養士の業務で培ったコミュニケーション能力や傾聴力などの対人スキルも、職務経歴書でアピールできます。未経験分野に挑戦する場合は、志望動機や将来のビジョンを明確に伝えるのが大切です。
ブランクがある場合の書き方は?

職歴にブランクがある場合でも、職務経歴書にはブランク期間を正直に記載してください。ブランクの期間と理由は「2018年4月~2020年3月 育児のため」などと簡潔に記載しましょう。ブランク中に自己啓発に取り組んでいれば、スキルアップへの意欲をアピールできます。
栄養関連の知識を更新した取り組みも職務経歴書の有効なアピール材料になります。育児や介護などの離職期間中に取り組んだ活動も忘れずに書きましょう。参加したセミナーや講習会、取得した資格、受講したオンライン講座なども職務経歴書に記載するとアピール材料になります。
別の職種から転職する場合の注意点は?
別の職種から管理栄養士に転職する際は、前職の経験と管理栄養士の仕事を結びつけましょう。転職理由は「キャリアアップのため」や「栄養の専門知識を活かしたい」など、前向きな姿勢を伝えるのがおすすめです。異業種で培ったコミュニケーション能力や顧客対応スキルも、大きな強みとしてアピールできます。
職務経歴書では、前職での実績を可能な限り数値で示すと効果的です。具体的な成果を提示すれば、より説得力が増します。
» 管理栄養士の主な就職先と仕事内容を一挙解説!
まとめ

管理栄養士の資格を生かした職務経歴書の書き方のコツは、日付や年号の表記を統一し、読みやすいレイアウトを心がける点です。職務経歴書に記載する実績は具体的な数字で示し、印象に残るエピソードを盛り込むと書類選考での通過率が高まります。
病院や介護施設など、職場によって求められるスキルや経験は異なるため、応募先に合わせて職務経歴書の内容を調整しましょう。未経験者やブランクのある方も自分の強みや学びへの意欲をアピールすると、採用の可能性を広げられます。